パズラー小説(読み)パズラーしょうせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パズラー小説」の意味・わかりやすい解説

パズラー小説
パズラーしょうせつ

松本清張先駆とするいわゆる社会派推理小説に対して,謎解きの論理性を重視しようとするものを本格派推理小説という。近年,この本格派のなかに,京都大学,同志社大学など大学の推理小説研究会出身の書き手が,『占星術殺人事件』の著者島田荘司を兄貴分とするグループを形成し,新本格派と称している。彼らの書くものにパズラー小説と名づけたのは出版社だが,リアリティーや社会性よりも知的なエンターテインメントとして論理の純粋性に固執するその傾向は,確かに新しい世代の登場を示しているということができる。おもな作家に,綾辻行人,法月綸太郎,有栖川有栖,我孫子武丸,歌野晶午らがいる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android