日本大百科全書(ニッポニカ) 「バシレイオス(2世)」の意味・わかりやすい解説
バシレイオス(2世)
ばしれいおす
Basileios Ⅱ
(958ころ―1025)
ビザンティン皇帝(在位976~1025)。父ロマノス2世(在位959~963)の没後、母の摂政(せっしょう)、ニケフォロス2世、ヨハネス1世の治世を経て、27歳ころようやく実権を得た。地方豪族スクレロス家、フォーカス家などの反乱を抑えるため、キエフ大公のウラジーミル1世の援助を得、彼に妹アンナを降嫁させ、キエフ(現、キーウ)のキリスト教化を促進。ブルガリアのマケドニア王国を破り(1014)、全バルカン半島を帝国領とした。続いてシリア、アルメニアにも進攻、七つのテマ(軍管区)を新設。その結果ユスティニアヌス1世以来の大領土を獲得し、帝国の最盛期、マケドニア朝の頂点を築いた。
[和田 廣]