日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハンティントン(Elsworth Huntington)
はんてぃんとん
Ellsworth Huntington
(1876―1947)
アメリカの地理学者。ハーバード大学で地形学者デービスに師事したのち、パンペリーに従って、中央アジア・西アジア方面の探検・調査に赴き、氷期以後の気候の乾燥化の証拠を集め、13世紀のモンゴルの中国や東ヨーロッパへの侵略とを関係づけ、1905年には『アジアの脈動』The Pulse of Asiaを著し、帰国後、エール大学の教授に就任した。また1915年には『文明と気候』Civilization and Climateを刊行し、人類文明は刺激的な気候のもとで発展すると論じた。彼の気候環境決定論はのちに批判を受けたが、トインビーの史観などには取り入れられている。
[織田武雄]
『間崎万里訳『文明と気候』(岩波文庫)』
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