ハッサン(2世)
はっさん
Hassan b. Mohammad b. Youssef
(1929―1999)
モロッコの国王。17世紀以降モロッコを支配するアラウィ朝の直系に生まれ、1961年に父王ムハンマド5世の死とともに即位した。1962年に立憲王政の新憲法を制定し政治体制を整備したが、1970年代初めにクーデター未遂事件が連続して起こるなど、政情は安定しなかった。だがこの危機を乗り越えたあとは、軍部および地主層の支持と政党間の対立抗争を背景に、三軍の最高司令官を兼ねるとともに、イスラム信徒の長としての宗教的な権威を保持することによって国政の実権を掌握した。
[宮治一雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例