ノッテボーム事件(読み)ノッテボームじけん(英語表記)Nottebohm Case

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノッテボーム事件」の意味・わかりやすい解説

ノッテボーム事件
ノッテボームじけん
Nottebohm Case

リヒテンシュタインに帰化したドイツ人ノッテボームグアテマラによりドイツ国籍の敵国人として逮捕財産没収を受けたことに関して,リヒテンシュタインの国籍許与と外交保護権の行使をめぐって,同国とグアテマラが国際司法裁判所で争った事件。裁判所は 1953年 11月,管轄権について,管轄権受諾宣言の失効はすでに設定された管轄権を変更させないという,いわゆるノッテボーム・ルールを判示し,55年の本案判決では,外交保護権行使の前提としての国籍許与に際して,国家と個人との間に真の結合関係が必要であるとの,いわゆる真正結合理論を示した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android