ノイジードル湖(読み)ノイジードルコ(英語表記)Neusiedlersee

デジタル大辞泉 「ノイジードル湖」の意味・読み・例文・類語

ノイジードル‐こ【ノイジードル湖】

Neusiedlersee》⇒ノイジードラー湖

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改訂新版 世界大百科事典 「ノイジードル湖」の意味・わかりやすい解説

ノイジードル[湖]
Neusiedler See

オーストリア東部,ウィーン南東約40kmのハンガリー国境にある湖。湖面標高113m。南北に細長く,長さ約30km。水深がひじょうに浅く,湖岸線が一定しないので,面積は時により変化する(1868年にはほとんど干上がったが,1882年には340km2,現在は約320km2)。湖面の約5/6がオーストリアに属する。元来は流出河川を持たない内陸湖であったが,1895年に完成したアインザー運河によってドナウ川支流に結ばれた。湖岸にはヨシが密生している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノイジードル湖」の意味・わかりやすい解説

ノイジードル湖
ノイジードルこ
Neusiedlersee

オーストリア東部ブルゲンラント州にある湖。南端部はハンガリー領で,ハンガリー語でフェルテー Fertöと呼ばれる。面積は約 350km2とされるが,アシ (葦) の茂る部分が多く,それを除くと 152km2,うちオーストリア領は 132km2。湖面の標高は 115m。最大水深は 2m以下と浅く,しかも水位の変動が大きいため,水がほとんどなくなったことが 18世紀以来4回もある。自然の流出河川はなく,ハンガリー側でドナウ川の支流と運河で結ばれている。湖水はわずかに塩分を含む。水鳥が多く,自然保護地区となっており,ウィーン市民の行楽地でもある。またその豊かな自然とともに,複数の国の境に位置する地理的事情から,古来異文化との交差点としての場を提供してきた。湖岸のおもな町はノイジードルアムゼーとポーデルスドルフ。湖岸一帯は良質のワインの産地。 2001年世界遺産の文化遺産に登録。

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世界大百科事典(旧版)内のノイジードル湖の言及

【オーストリア】より

…一方,南部では南部カルク・アルプスと中央アルプスの境界部へ湾入状に入り込み,山地,盆地を限る断層線上は温泉地帯となっている。ウィーン盆地の東はライタLeitha山地を経て低地が発達し,そこには南北35km,最大幅12km,最大水深1.8mの浅いノイジードル湖がある。湖水は約1.5g/lの塩分を含み鹹湖である。…

【ブルゲンラント】より

…その平坦な地形は肥沃な耕地が大部分を占めており,小麦,テンサイ等とならんで,ブドウや果樹の栽培も盛大であり,ブルゲンラント・ワインは有名である。ハンガリーと国境を分けているノイジードル湖は,南北30km,東西6~12kmの細長い形状の,オーストリア最大の湖であり,湖面は季節によって変化する。湖水はわずかに塩分を有するが,アシがよく茂り,オーストリアのセルロース工業に対して主要な原料を供給している。…

※「ノイジードル湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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