ニンジンボク(人参木)(読み)ニンジンボク(英語表記)Vitex cannabifolia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニンジンボク(人参木)」の意味・わかりやすい解説

ニンジンボク(人参木)
ニンジンボク
Vitex cannabifolia

クマツヅラ科の落葉低木。中国原産で,台湾や日本の暖地では庭木として植えられることがある。枝は対生し,葉は3~5枚の小葉から成る掌状複葉で長い柄をもつ。小葉は広披針形で裏面には短毛があり,縁には鋸歯がある。夏に,葉のつけ根から円錐花序をなして,淡紫色で唇形の小花を多数階段状につける。萼は5裂し毛がある。花冠は萼の約2倍の長さで,4本のおしべが花冠より長く飛出し,めしべ柱頭はふたまたに分れる。果実は小型の倒卵形の石果で黒く熟する。果実は牡荊子 (ぼけいし) と呼び感冒薬にされる。和名は葉の形が薬用チョウセンニンジンに似ていることによる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android