ナルシンフ・メヘター(読み)なるしんふめへたー(英語表記)Narsinh Mehtā

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナルシンフ・メヘター」の意味・わかりやすい解説

ナルシンフ・メヘター
なるしんふめへたー
Narsinh Mehtā
(1415/1500―1480/1580)

ナルシー・メヘターともいう。インド、グジャラートクリシュナ信仰詩人。グジャラーティー語の最初で最高の詩人と称せられる。兄嫁に家を追われて信仰の道に専念し、神との接合の喜びを一般に知らせるために、自作の詩をシンバルにあわせて歌い踊った。ラーダーとクリシュナの愛を主題とし、自らをナルシー・ゴーピー(牧女ナルシー)と称し、最高の神、愛人、友人としてのクリシュナに対する牧女たちの熱愛の詩をつくった。由緒あるバラモンの出身者であったが婦女子、不可触賤民(せんみん)にも熱烈信仰の道を開き、自ら不可触民の家に赴いて賛歌を聞かせるという実践を通じて種姓の排他性を打破した。クリシュナ賛歌は詩集『ナルシンフ・メヘター・カービヤ・サングラハ』として出版されて現代も愛唱され、ガンディーも愛好したという。別に2種の自伝的詩集があり、哲学、道徳を説いている。

[土井久弥]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android