ナビエ=ストークス方程式(読み)ナビエ=ストークスほうていしき(英語表記)Navier-Stokes equation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ナビエ=ストークス方程式
ナビエ=ストークスほうていしき
Navier-Stokes equation

粘性流体に対する運動方程式流体の速度ベクトルを u ,圧力を p ,密度をρ,粘性率をμ(一定),体積粘性率をζ(一定),流体の単位質量あたりに働く外力ベクトルを K とすれば,粘性流体に対して次の運動方程式が成り立つ。
ただし,Δ≡div grad はラプラス演算子である。この方程式をそれぞれ独立に,ほぼ同時に導出したクロード=ルイ=マリ=アンリ・ナビエとジョージ・ガブリエル・ストークスにちなみ,ナビエ=ストークス方程式という。特に,非圧縮性流体の場合には,連続の方程式により divu=0 であるから,体積粘性率ζは運動に影響しなくなる。また,完全流体の場合には,μ=ζ=0 であるから,方程式はオイラーの運動方程式に帰着する。粘性流体においては,ナビエ=ストークス方程式を連続の方程式および流体の状態方程式 ρ=fp)と連立させて解けば,流体の運動が決定される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カッシーニ(Giovanni Domenico Cassini)

イタリア系フランス人の天文学者。カシニともいう。ニース近郊に生まれ、ジェノバで聖職修業中に、ガリレイの弟子カバリエリに師事して数学・天文学を修得し、1650年25歳でボローニャ大学教授に任ぜられた。惑...

カッシーニ(Giovanni Domenico Cassini)の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android