粘性流体(読み)ネンセイリュウタイ(英語表記)viscous fluid

デジタル大辞泉 「粘性流体」の意味・読み・例文・類語

ねんせい‐りゅうたい〔‐リウタイ〕【粘性流体】

流体や流体中の物体運動を考える際に、粘性を考慮しなければならない流体。粘性流体のふるまいナビエストークスの方程式に従う。⇔完全流体

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「粘性流体」の意味・わかりやすい解説

粘性流体
ねんせいりゅうたい
viscous fluid

粘性を考慮して流体を取扱うとき,これを粘性流体という。粘性流体においては,流体内に任意の面を考えるとき,面に対して垂直な方向圧力ほかに,面に平行な方向に粘性力が働く。特に,単位面積あたりの粘性力が速度勾配に比例するとき,そのような流体をニュートン流体比例定数粘性率という。普通,粘性流体とはニュートン流体を意味する。

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世界大百科事典(旧版)内の粘性流体の言及

【粘性】より

…これは回転速度の異なる水の部分どうしが,粘性によって互いに速度を一様にしようとする向きに力を及ぼすためである。粘性を有する流体を粘性流体viscous fluid,粘性をもたない流体を完全流体というが,実在の流体は超流動状態の液体ヘリウムを除けば,多かれ少なかれ粘性をもっている。 図に示したように粘性をもつ流体を2枚の平板の間にはさみ,上の平板を一定の速度で右のほうへ移動させると,速度こう配をもった流れが生ずる。…

【流体】より

… 静止している流体中では,その中にとった面を通して両側の流体が及ぼし合う力は面に垂直に押し合う圧力であるが,運動している流体では変形(ひずみ)速度にさからう粘性による力(粘性応力)が現れる。粘性の影響が小さい場合の理想化として,粘性を無視し内力としては圧力しか働かないとした流体を完全流体と呼ぶが,超流動状態の液体ヘリウムを除けば実在の流体はすべて粘性をもつ粘性流体である。通常の流体では粘性応力は変形速度の一次関数となり(ニュートンの粘性法則),ニュートン流体と呼ばれる。…

※「粘性流体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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