日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ターナー(Frederick Jackson Turner)
たーなー
Frederick Jackson Turner
(1861―1932)
アメリカの歴史学者。ウィスコンシン州に生まれる。1888年から1910年までウィスコンシン大学、また10年から24年までハーバード大学でアメリカ史を講じた。1893年に発表した論文『アメリカ史における辺境(フロンティア)の意義』は、彼のフロンティア学説展開の基礎として、歴史学者としての彼の地位を確立したばかりか、アメリカの思想界にも大きな影響を与えた。彼は、アメリカの歴史のユニークさは、西部の存在にあったとし、ヨーロッパからの移民者であるアメリカ人は、未開の西部との遭遇体験を通して、独自の個人主義的、民主主義的伝統を生み出していったと論じた。著作に『西部の興隆』The Rise of the West(1906)がある。
[紀平英作]