タイユワン(太原)特別市(読み)タイユワン(英語表記)Taiyuan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

タイユワン(太原)〔特別市〕
タイユワン
Taiyuan

中国華北地方,シャンシー (山西) 省の省都。省の中部,タイユワン盆地の北端にある。タイユワン市区と1市3県から成る。春秋時代に晋の国都,戦国時代に趙の国都がおかれた。唐代には太原府の府治となったが,宋の太宗に市街を破壊されて,現在地のフェン (汾) 河東岸に再建された。明・清代はシャンシー省の省都。辛亥革命以後は閻錫山軍閥の山西モンロー主義の拠点となり,工場などが造られた。第3次国内革命戦争では激戦が交された。地下資源に恵まれ,シーシャン (西山) の大炭鉱とトンシャン (東山) ,シーシャンの両鉄鉱山がある。重化学工業が急激に発展しており,フェン河西岸に工場地域が形成された。主要な工場としては大型鉄鋼コンビナート,アルミニウムと銅の精錬工場,重機械工場,綿紡織染色コンビナート,全国有数の化学肥料工場があげられる。ほかにも輸送機器,農機具,医薬品,合成洗剤,農薬,セメント,食品加工などの工業がある。トンプー (同蒲) 鉄道が南北に通り,シータイ (石太) 鉄道が分岐している。ペキン (北京) 市との間には航空路も開ける。文教施設としてはシャンシー大学などがある。周辺部ではコムギトウモロコシコーリャンアワワタが栽培され,ブドウ園もある。市街南西郊のチンツー (晋祠) 一帯は農業用水路が縦横に走り,水田が開かれている。チンシュイ (清徐) 県では干しぶどうやワインが生産される。チンツーには,周代の晋侯である唐叔虞祠廟といわれる晋祠があり,広い庭園に建造物が配置されているが,特に聖母殿は北宋の代表的木造建築として名高い。ほかにも北魏から唐にかけての仏像を残す天竜山石窟や永祚寺の双塔など文化財が多い。大規模な歴史博物館が建設されている。人口 271万 537,うち市区人口 205万 1558 (1990) 。

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