日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
セーレム(アメリカ合衆国、オレゴン州)
せーれむ
Salem
アメリカ合衆国、オレゴン州北西部、ウィラメット川東岸の都市で同州の州都。人口13万6924(2000)。肥沃(ひよく)なウィラメット谷のほぼ中央部に位置する。野菜、果物、乳製品の集散地、市場として重要であり、大規模な缶詰、冷凍加工工場が目だつ。そのほか、製紙、織物などの工業がある。1840年にインディアン教化のためにメソジスト派の布教所が開かれたのが始まりで、1851年にはオレゴン準州の州都、59年に独立州となってからも引き続き州都の地位を確保してきた。しかし、洪水などの天災に悩まされ、本格的な都市発展は鉄道が開通した1871年以降になる。太平洋岸北西部地域ではもっとも古いウィラメット大学の所在地でもあり、白亜の大理石でつくられたモダンな州会議事堂が美しい。
[作野和世]