セーヤーズ(英語表記)Dorothy Leigh Sayers

改訂新版 世界大百科事典 「セーヤーズ」の意味・わかりやすい解説

セーヤーズ
Dorothy Leigh Sayers
生没年:1893-1957

イギリス女流作家オックスフォード大学中世文学を学び,その方面の研究書やダンテの《神曲》の翻訳(1949-62)がある。しかし,より一般的に知られているのは,貴族の素人探偵ピーター・ウィムジーを主人公とする一連推理小説で,《毒》(1930),《9人の洋服屋》(1934),《忙しい蜜月旅行》(1937)などの長編ほかに,多くの短編,さらに推理小説選集,推理小説評論もある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セーヤーズ」の意味・わかりやすい解説

セーヤーズ
Sayers, Dorothy Leigh

[生]1893.6.13. オックスフォード
[没]1957.12.17. エセックス,ウィタム
イギリスの女流作家,劇作家。オックスフォード大学卒業。コピーライターから推理小説作家に転じ,『猛毒』 Strong Poison (1930) ,『死刑執行人の休日』 Hangman's Holiday (33) などで,しろうと探偵ウィムジー卿を活躍させた。第2次世界大戦前後から宗教的関心が深まり,キリストを扱った連作ラジオドラマ『王になるべく生れた男』 The Man Born to Be King (41) で成功,またダンテ学者としても高名で,『神曲』の翻訳もある。

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世界大百科事典(旧版)内のセーヤーズの言及

【推理小説】より

…短編の場合はdetective story)の訳語として,すでに明治時代から用いられた。〈探偵小説〉の定義としては,例えばD.L.セーヤーズの〈犯罪とその捜査を取り扱った小説のうち,なぞの設定とその解決が,もっぱら論理的操作によってのみ行われるもの〉(1928)という手本がある。しかし,当時からこの種の作品を〈本格的探偵小説〉と呼び,〈探偵小説〉はもっと広いもの,例えば論理的操作がほとんど欠けている小説やもっぱら行動とスリルだけの小説,あるいは,プロとアマを問わず探偵が登場するすべての小説などをも含むと考える立場があった。…

※「セーヤーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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