セレシン(英語表記)ceresin

翻訳|ceresin

改訂新版 世界大百科事典 「セレシン」の意味・わかりやすい解説

セレシン
ceresin

石油鉱床,石炭鉱床などで産出される地蠟(ちろう)を精製した蠟状の物質。融点60~80℃,比重0.915~0.925。ふつうわずかに黄色みを帯びるが,精製すると白色の無臭物となる。水に不溶,アルコールベンゼンなどの有機溶媒可溶である。油脂類,石油類,パラフィン蠟,樹脂などと溶けあう。酸価,ケン化価,ヨウ素価は0。絶縁体,ろうそく,封蠟,皮革クリームなどのつや出し剤として利用される。
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化学辞典 第2版 「セレシン」の解説

セレシン
セレシン
ceresin

鉱物として天然に産出する固形パラフィンの地ろう(earth wax,ozocerite)を精製すると得られる.白色または黄色の無定形の固形ろうをいう.融点60~80 ℃.つや出し剤,皮革クリームなどに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のセレシンの言及

【地蠟】より

…成分はCnH2n,ときにCnH2n+2の炭化水素が主成分で,動植物から得られる蠟(脂肪酸と水に不溶な高級一価アルコール類または二価アルコール類とのエステル)とは化学的成分を異にするものである。精製したものはセレシンの名称がある。ヨーロッパ,旧ソ連,エジプト,アメリカなどの石油鉱床,石炭鉱床に産し,とくにウクライナのボリスラフ地方の油田が名高い。…

※「セレシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」