日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
セシル(Lord Burghley, William Cecil)
せしる
Lord Burghley, William Cecil
(1520―1598)
イギリスの政治家。ジェントリの家柄に生まれ、法律家となりヘンリー8世の宮廷に入る。メアリーの治世に一時失脚したが、1558年エリザベス1世の即位とともに国務大臣となり、終生女王の助言役を務めた。ことに1571年バーリー卿(きょう)として貴族に列せられ、翌1572年には大蔵卿となって、イングランドの国益とプロテスタンティズムを擁護する現実的で穏健な政策を女王に勧めた。ことにメアリー・スチュアートの処刑、スペインのアルマダ(無敵艦隊)の襲来に際しての彼の冷静な処置は、国際政局におけるイギリスの地位の向上に貢献した。なお次男のロバート(ソールズベリー伯)が父の政策を継ぎ、宮廷内に権勢を示して「セシル王国」を形成した。
[今井 宏]
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