日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シラン(ケイ素の水素化物)
しらん
silane
ケイ素の水素化物の総称。一般式SinH2n+2で示される。nが1、2は無色の気体、3、4は液体である。一般にシランというときはモノシランSiH4をさすことが多い。Si2H6はジシラン、Si3H8はトリシラン、Si4H10はテトラシランなどのようにいう。液体アンモニア中でケイ化マグネシウムに臭化アンモニウムを作用させて得られる。あるいは塩化ケイ素をテトラヒドリドアルミン酸リチウムで還元しても得られる。古くはケイ化マグネシウムを酸で処理して得ていた。反応性が高く空気に触れると燃える。希酸溶液に安定であるが、アルカリ性で速やかに加水分解する。モノシランはケイ素の表面処理用に、また半導体用の高純度ケイ素の製造原料にも使用される。
[守永健一・中原勝儼]
[補完資料] |