ジシラン

デジタル大辞泉 「ジシラン」の意味・読み・例文・類語

ジシラン(disilane)

珪素けいそ水素化物シラン一つ無色気体猛毒。空気中で容易に自然発火する。半導体太陽電池など高純度珪素の製造原料となる。シリコエタン化学式Si2H6

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化学辞典 第2版 「ジシラン」の解説

ジシラン
ジシラン
disilane

Si2H6(62.22).シリコエタンともいう.ケイ化マグネシウムMg2Siと塩酸との反応で発生する気体を分留すると得られる.無色の気体.分子はエタンC2H6と同型で,Si-Si2.33 Å,Si-H1.49 Å.融点-132.5 ℃,沸点-14.5 ℃.密度0.686 g cm-3(-25 ℃).空気がなければ約100 ℃ まで安定である.空気中では室温でも自然発火する.水とは徐々に反応してSiO2と H2 になる.KOH水溶液で H2 を発生する.CS2,エーテル,ベンゼンなどに可溶.シランSiH4と異なり,CCl4,CHCl3などの含ハロゲン溶媒と反応する.半導体の製造に用いられる.猛毒.ジシランのHをアルキル,またはアリール基で置換した化合物は安定で,多数の誘導体が得られている.また,H2Si=SiH2(ジシレン)は不安定であるが,有機誘導体,たとえばR2Si=SiR2(R = 2,4,6-トリメチルフェニル)は,黄色の結晶として得られている.[CAS 1590-87-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報