シチリアでの会話(読み)シチリアでのかいわ(英語表記)Conversazione in Sicilia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シチリアでの会話」の意味・わかりやすい解説

シチリアでの会話
シチリアでのかいわ
Conversazione in Sicilia

イタリアの小説家エリオ・ビットリーニ長編小説。 1938年から 39年にかけて『レッテラトゥーラ』誌に連載。 41年に,まず『名前と涙』 Nome e lacrimeという表題で刊行され,次いでいまのように改められた。物語は久びさに故郷シチリアを旅する主人公の内的独白と現実世界とが交互に綾を織りなして展開する。随所にはめこまれた隠喩象徴とが,ファシズムと抵抗運動の時代の影を色濃く漂わせ,同じく 41年に発表された C.パベーゼの『故郷』とともに,ネオレアリズモ文学源泉となった。

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