シカクマメ(読み)しかくまめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シカクマメ」の意味・わかりやすい解説

シカクマメ
しかくまめ / 四角豆
[学] Psophocarpus tetragonolobus (L.) DC.

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。東南アジア、メラネシアとくにニューギニアに多く栽培されている。茎は2~3メートルに伸び、葉は3出複葉で小葉は広卵形。花は淡緑から淡青色で美しく、まばらな総状花序につく。果実は豆果で、莢(さや)は長さ15~30センチメートル、縦に4稜(りょう)の翼があり、断面が四角形なのでこの名がある。種子は1莢に8~17粒、径約1センチメートルの丸形で、茶、白、黄または黒色および茶などのまだら紋様のものがある。根が肥大していも状となり、非常に多くの大きい根粒をつける。また、植物体は乾物重で25%ものタンパク質を含むのも特徴である。おもに若莢を煮て食べるが、若葉食用として栄養価が高いといわれる。日本では沖縄県を中心に栽培されている。

[星川清親 2019年10月18日]


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栄養・生化学辞典 「シカクマメ」の解説

シカクマメ

 [Psophocarpus tetragonolobus].アスパラガスエンドウともいう.マメ目マメ科の一年草,およびその種子であるマメ.

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世界大百科事典(旧版)内のシカクマメの言及

【豆】より

…南アメリカ原産のインゲンマメはアフリカやインドでも主食的に利用される重要な豆類であるし,ボリビア原産のラッカセイは,その高い脂肪含有量のため広く食用にされ,どちらも世界の各地で栽培されている。その他にも〈もやし〉に多用されるインド原産のリョクトウ,若い豆果が野菜とされるアフリカ原産のササゲ類(ササゲ,ヤッコササゲ,ジュウロクササゲなど)や,熱帯アジア原産のナタマメやシカクマメPsophocarpus tetragonolobus(英名fourangled bean),それに加えて中央アメリカや南アメリカ原産のライマメPhaseolus lunatus(英名lima bean),ベニバナインゲン,インド原産のヒヨコマメフジマメ,アフリカ原産のキマメなど,多数の種が栽植され,利用されている。これら熱帯系の豆類のうちのいくつかは,温帯圏での夏作作物となっており,日本でも栽培されている。…

※「シカクマメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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