コミ(ロシアの地名)(読み)こみ(英語表記)Коми/Komi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コミ(ロシアの地名)」の意味・わかりやすい解説

コミ(ロシアの地名)
こみ
Коми/Komi

ロシア連邦西部にある共和国。ソ連時代の1921年自治州、36年自治共和国、36年コミ自治ソビエト社会主義共和国Коми АССР/Komi ASSRとなり、ソ連崩壊(1991年12月)後の92年5月にコミ共和国Республика Коми/Respublika Komiとなる。面積41万5900平方キロメートル、人口115万2000(1999)。首都はシクティフカル

 東部のウラル山脈、中央部のチマン山地のほかは丘陵性の平原で、北部にツンドラ(永久凍土帯)があるが、大部分タイガ(針葉樹林帯)である。この一帯は1995年にユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録された。ウラル語族のフィン・ウゴル語派に属するコミ人(23.3%)の国であるが、ロシア人が過半数(57.5%)を占めている(1989)。石油、天然ガス石炭、木材の資源に恵まれ、開発が進められている。主要な工業は製材、食品工業など。農業は畜産が中心で、北部でトナカイ、毛皮獣飼育が行われている。交通はペチョラ川ブイチェグダ川水運コトラスからボルクタを結ぶ鉄道が主である。

[中村泰三・小俣利男]

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