コバンモチ(読み)こばんもち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コバンモチ」の意味・わかりやすい解説

コバンモチ
こばんもち
[学] Elaeocarpus japonicus Sieb. et Zucc.

ホルトノキ科(APG分類:ホルトノキ科)の常緑高木。高さ10~15メートル。葉は互生し、卵状楕円(だえん)形ないし長楕円形葉柄は長く約3センチメートル。葉身は長さ7~10センチメートル、先は鋭くとがり、基部は鈍く、大きな鈍い鋸歯(きょし)がある。3~6月、総状花序を腋生(えきせい)し、白色の小花を多数密につける。果実核果で長さ約1センチメートル、楕円形、濃青色。近畿地方以西の本州四国、九州、沖縄の常緑樹林内に生え、台湾と中国にも分布する。材は純白で、きめが細かいので白木竹とよんで器物をつくるのに用いる。

[古澤潔夫 2020年6月23日]

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世界大百科事典(旧版)内のコバンモチの言及

【ホルトノキ】より

… ホルトノキ科は世界の熱帯から亜熱帯を中心に12属約400種があり,なかでもホルトノキ属Elaeocarpusは東南アジアから太平洋地域にかけて多くの種がある。日本にはほかにコバンモチE.japonicus Sieb.et Zucc.などがある。【緒方 健】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」