ゲルバー(英語表記)Carl Friedrich Wilhelm von Gerber

改訂新版 世界大百科事典 「ゲルバー」の意味・わかりやすい解説

ゲルバー
Carl Friedrich Wilhelm von Gerber
生没年:1823-91

ドイツの法学者。チュービンゲン大学総長,ザクセン文部大臣などをも歴任。当初R.イェーリングと共同して私法学を論理的な体系に仕上げることに努めた。ローマ法学の分野で進んでいたこの体系的方法をドイツ固有法の研究に導入,さらにその成果を公法学にも適用し,実証主義的公法学の基礎を築いた。すなわち国家を法的人格としてとらえ,すべての国家作用をその意思力の発現として純粋に法的に体系化しようとした。それは家産制国家に代わる新しい国家の構想であったが,他方で国民は国家の支配の対象にすぎぬものとされ,その意思や権利の固有の基盤を奪われることにもなった。主著《ドイツ国法論》(1865)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲルバー」の意味・わかりやすい解説

ゲルバー
Gelber, Jack

[生]1932.4.12. シカゴ
[没]2003.5.9. ニューヨーク
アメリカの劇作家。イリノイ大学卒業。処女作で代表作でもある『コネクション』 The Connection (1959) では,劇中劇の形式によって麻薬中毒患者の世界を描き,リビング・シアターの斬新な演出と演技による上演で一躍注目を集めた。そのほかの作品に,コーヒー・ショップの小さな劇団題材にした"The Apple" (1961) ,結婚生活を通して現代アメリカの文明を批判した"Square in the Eye" (1965) ,バティスタ政権の末期からカストロ台頭までを描いた"The Cuban Thing" (1968) などがある。

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