ゲベル-バルカルとナパタ地域の遺跡群(読み)ゲベルバルカルとナパタちいきのいせきぐん

世界遺産詳解 の解説

ゲベルバルカルとナパタちいきのいせきぐん【ゲベル-バルカルとナパタ地域の遺跡群】

2003年に登録された世界遺産(文化遺産)で、スーダンの首都ハルツーム(カルツーム)の北方にある古代エジプト時代の遺跡群。ゲベル・バルカルは、高さ98mほどの小山。紀元前1450年頃、エジプトのファラオ(王)のトトメス3世は、その領土を大きく広げ、このゲベル・バルカルを南限として、近くにナパタという都市を建設した。その300年後、ナパタはヌビア人が建設したクシュ王国の首都となったが、その後再びエジプトの領地となった。エジプト人やそれを継いだクシュ王国のヌビア人たちは、ゲベル・バルカルを最高神であるアモンの住む聖地として崇めたことから、ゲベル・バルカル周辺には寺院をはじめさまざまな建造物がつくられた。この地域の本格的な発掘が1916年から1980年代にかけて進められ、13の神殿と3つの宮殿のほか墓所遺跡が発見されている。こうした古代エジプト時代の遺構が遺跡として多数残されていることが評価された。◇英名はGebel Barkal and the Sites of the Napatan Region

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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