ケイ酸二カルシウム(読み)ケイサンニカルシウム

化学辞典 第2版 「ケイ酸二カルシウム」の解説

ケイ酸二カルシウム
ケイサンニカルシウム
dicalcium silicate

2CaO・SiO2.酸化カルシウムと二酸化ケイ素が結合した組成化合物総称であるケイ酸カルシウム塩の一つであり,慣用名ケイ酸二石灰として知られる.α,α′,β,γの変態がある.純粋系は常温斜方晶系のγ型が安定となる.高温では六方晶系のα型が安定であり,低温になるに従って構造の対称性が減少し,斜方晶系のα′型,単斜晶系のβ型と変化する.炭酸カルシウムと二酸化ケイ素粉末を2CaO・SiO2の組成比に混合して1400 ℃ 以上で焼成すると得られる.この際,少量の添加物で各変態を安定化することができる.純粋な2CaO・SiO2は高温から冷却されるとき,500 ℃ 以下で比容積の大きいγ型に変化するため微粉化する.不純物が入っていると高温型が常温でも安定化され微粉化は起こらない.高温型結晶は常温で水と反応し水和硬化するのでポルトランドセメント応用されている.また耐火物への応用も考えられている.[CAS 1344-95-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android