クリンカー
〘名〙 (clinker) 一般に、
鉱物加工工業で、
無機成分の
原料を焼成したときにできる塊片をいう。
② 良質の粘土原料を焼成してつくった硬質
煉瓦(れんが)。焼き過ぎ煉瓦。
③
石炭を
燃焼させたあとの
石炭殻が溶融し結合したもの。〔舶用機械学独案内(1881)〕
④
溶鉱炉の中にできる不溶解物のかたまり。
鉱滓(こうさい)。金くそ。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「クリンカー」の意味・読み・例文・類語
クリンカー(clinker)
鉱物質が半溶融状態で焼き固まった塊。粉砕するとセメントになる塊、燃料の燃焼によって窯の壁面などに融着した灰、過焼されて溶融状態になり変形したれんがなど。焼塊。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
クリンカー
clinker
焼塊ともいう。鉱物あるいは無機物質が半融状態で,定まった形状とはならずに,焼き固まったもの。この状態を得るには,原料中に少量の融点の低い物質が含まれていることが必要である。ポルトランドセメントはロータリーキルンから出たときクリンカー状になっているので,セメントとして出荷するにはクリンカーを破砕,粉砕する必要がある。このほか,工業的に製造される酸化マグネシウム(マグネシア),石炭を焼いたあとの灰がクリンカー状である。
執筆者:柳田 博明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
クリンカー
くりんかー
clinker
溶融または部分的に溶融あるいは半溶融状態になった塊で、焼塊(しょうかい)ともいう。たとえば次のようである。
(1)燃料の燃焼によって窯の中に残った灰の一部。灰の中にフラックスflux(他の物質に混合すると、そのものの融点を下げる物質。融剤または媒溶剤ということもある)が多いと、灰が受ける温度以下で融点に達し、その結果溶け始め、窯の火格子や壁面に融着する。
(2)石灰石と粘土との混合物を溶け始める温度で焼成して得られる塊。この型のクリンカーを微粉砕すると、ポルトランドセメントのような水硬性セメントが得られる。
(3)多孔性のものと区別して、高度に溶化した状態のれんがまたはタイル。
(4)焼成中に偶然に過焼されて部分的に溶融状態になり、変形したれんがなど。れんがの場合は過焼れんがと称する。
[素木洋一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
クリンカー
clinker
高熱によって半融解状態に固まった鉱物性物質。セメントクリンカー,マグネシアクリンカー,ドロマイトクリンカーなどがある。セメントクリンカーは,石灰石,粘土,酸化鉄,ケイ石を混合し,一部が融解するまで焼成して得られるが,これに石膏を加え細かく砕くとセメントが得られる。成分は複雑で,3CaO・SiO2 ,3CaO・Al2O3 ,2CaO・SiO2 ,4CaO・Al2O3・Fe2O3 の4種から成る。これら各成分は水と化合する速度がそれぞれ異なり,またセメントの強度に影響することが知られている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
クリンカー
鉱物の粉砕物をその成分の一部が溶融する(半融状態)まで焼成し,全体を塊状に焼きしめたもの。焼塊とも。一般にはセメント製造において石灰石と粘土を粉砕・調合し,ロータリーキルンなどで焼成したものをいい,これを粉砕してセメントをつくる。
→関連項目ポルトランドセメント
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
岩石学辞典
「クリンカー」の解説
クリンカー
噴石(cinders(volcanic))をいう.クリンカーは石炭の灰が熔融してガラス状あるいは鉱滓状になったもの,火山噴出物では熔岩の表面に発達する破砕部分に用いる.
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報