クロクサアリ(読み)くろくさあり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロクサアリ」の意味・わかりやすい解説

クロクサアリ
くろくさあり / 黒臭蟻
[学] Lasius fuliginosus

昆虫綱膜翅(まくし)目アリ科に属する昆虫。日本各地およびシベリア、ヨーロッパなどに分布する。体長は働きアリで約4ミリメートル、女王で6ミリメートルぐらい。体の軟毛は少なく、体全体が強い光沢のある黒色を帯び、サンショウの実に似た強いにおいがあるのでクサアリの名がついた。木の洞(ほら)や根元の空所にボール紙状の黒褐色の巣をつくる。木の上のアブラムシ甘露(蜜(みつ))をなめるために大規模な行列をなして通う。羽アリの飛び出しは7月ごろ。女王はアメイロケアリの巣に侵入して、自分の子を宿主の働きアリに育てさせる(一時的社会寄生)。日本にはクサアリモドキやテラニシケアリなど4種の近縁種がいるが、これらは形態、生態ともクロクサアリによく似ている。

[山内克典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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