クリプトン85(読み)クリプトンハチジュウゴ

デジタル大辞泉 「クリプトン85」の意味・読み・例文・類語

クリプトン‐はちじゅうご〔‐ハチジフゴ〕【クリプトン85】

krypton 85核分裂生成物として原子炉再処理工場運転により生成する放射性物質不活性ガス半減期10.3年。

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化学辞典 第2版 「クリプトン85」の解説

クリプトン85
クリプトンハチジュウゴ
krypton 85

大気中に極微量存在する.宇宙線起源,地殻中のウラン・トリウム起源のものもあるが,ほとんどが人工的核分裂反応から.1970年当時,10 picocuries(pCi)m-3(0.37 Bq m-3).その後,大気中の核実験が禁止されたため,減衰している.うち1% 以下は過去の核爆発実験によるが,99% 以上が使用済み核燃料の再処理から.85Kr は主要な気体状核分裂生成物で,再処理の際に大気中に放出される可能性がある.したがって,局地的に 85Kr が検出されれば,再処理工程実施の証拠となる.半減期10.73 y のβ崩壊核種.β線エネルギー0.687 MeV.[CAS 13983-27-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリプトン85」の意味・わかりやすい解説

クリプトン85
クリプトンはちじゅうご
krypton 85

クリプトン放射性同位体(→放射性同位元素)の一つ半減期は約 11年と比較的長く,β線とわずかなγ線を出して,安定なルビジウムへと変化する(→β崩壊)。核実験(→核兵器)や原子力施設から大気中に放出されており,北半球における大気中の濃度は 1955年以降増加している。

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