日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラウディウス(2世)」の意味・わかりやすい解説
クラウディウス(2世)
くらうでぃうす
Claudius Ⅱ
Marcus Aurelius Claudius Gothicus
(219―270)
ローマ皇帝(在位268~270)。ダルマチアに生まれる。ガリエヌス帝の治世に高級将校となり、同帝の暗殺後、皇帝に推挙された。北イタリアに侵入したアラマン人を撃退したが、分離独立していたガリア帝国を制圧することはできなかった。それにもかかわらず、彼はドナウ川地域に侵攻するゴート人を駆逐して屈服させ、多数のゴート人を兵士や小作農民として迎え入れた功績のために、「ゴーティクス」(ゴート人征服者の意)の異名でよばれている。ドナウ地方の秩序回復に尽力中、疫病にかかって没した。元老院との関係が比較的良好であったうえに、のちにコンスタンティヌス大帝が彼の後裔(こうえい)を名のったことから、彼の名声は死後も高まった。
[本村凌二]