クライアント・サーバーシステム(読み)くらいあんとさーばーしすてむ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クライアント・サーバーシステム
くらいあんとさーばーしすてむ

あるコンピュータプログラム要求を出し、別のコンピュータ上のプログラムがそれに応答するとき、前者クライアント後者サーバーとよぶ。クライアントプログラムは利用者が手元に置いて使うパソコンに搭載され、サーバープログラムは一般利用者の目に触れないところで稼働するコンピュータに搭載されることが多いので、それぞれのコンピュータをおのおの「クライアント」、「サーバー」とよぶことが一般化している。サーバーにはメールサーバーファイルサーバーネームサーバーなどがある。メールサーバーは、クライアントから出された送信メールをネットワークに送りだし、またユーザーに送られてきた受信メールを所定のメールボックスに保存してクライアントが読みにきたときに届けるというように、郵便局役割を果たす。ファイルサーバーは、大量の共通利用ファイルを格納し、クライアントの利用に供するというように、いわば情報の倉庫の役割を果たすものをいう。現在では、多くはWWWサーバーがこの役割を果たす。ネームサーバーはインターネット上の住所名(メールのアドレスや機器名など)をネットワーク上の物理的な所在場所(固有の数で表される)に対応づける機能をもっていて、DNSドメイン・ネーム・サーバー)ともよばれる。このサービスによって、たとえば、わかりやすい記号のアドレス名だけを知っていれば、全世界のどこへでもメールを届けることができる。

[田村浩一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例