キナバル山(読み)キナバルサン(英語表記)Kinabalu

デジタル大辞泉 「キナバル山」の意味・読み・例文・類語

キナバル‐さん【キナバル山】

Gunung Kinabaluマレーシアボルネオ島北東部、サバ州にある山。同国最高峰標高4095メートル。周囲国立公園に指定され、2000年に「キナバル公園」の名称世界遺産自然遺産)に登録された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キナバル山」の意味・わかりやすい解説

キナバル山
きなばるさん
Kinabalu

マレーシア領サバ州(北ボルネオ)にあるボルネオ島の最高峰。標高4094メートル。西イリアンを除く東南アジアの最高峰でもある。島の脊梁(せきりょう)を形成するイラン山脈の北東に連なってそびえ、環太平洋島弧系に属する古い花崗岩(かこうがん)からなる。標高1500メートル付近から急傾斜をなすが、頂上は比較的平坦(へいたん)で、樹木の生育限界は3700メートルあたりまでである。1851年イギリス人のヒュー・ローHugh Low(1824―1905)が初登頂した。西麓(せいろく)にはサバ州の州都コタ・キナバルがある。

[別技篤彦]

世界遺産の登録

特有の生態系を有する、キナバル山を含む国立公園が2000年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「キナバル自然公園」として世界遺産の自然遺産に登録された(世界自然遺産)。

[編集部]

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改訂新版 世界大百科事典 「キナバル山」の意味・わかりやすい解説

キナバル[山]
Gunung Kinabalu

ボルネオ島北東部,サバ州にあるマレーシアの最高峰。標高4101m。土着のカダザン語で〈死者聖地〉を意味する。山頂は花コウ岩が露出した尖峰で,周辺の緑に覆われた山とは異なる山容を示す。面積686km2キナバル国立公園となり,鳥獣禁猟区に指定され,オランウータンの生息地としても知られる。山麓の標高1700mにあるシンパン・キナバルSimpang Kinabaluは,公園管理事務所の所在地,登山根拠地であるが,近年,高原の保養地として開発が進められ,付近は野菜生産地に変貌した。コタ・キナバルからの道路が整備されたので,車での日帰り旅行が可能となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キナバル山」の意味・わかりやすい解説

キナバル山
キナバルさん
Gunung Kinabalu

マレーシア,ボルネオ島北東部のサバ州にある山。マレー諸島の最高峰。標高 4101m。山頂ではコケ類を除き植物は生育しない。降雪はないが結氷することがある。山体は結晶片岩,花崗岩より成る。州政府は,観光開発に力を注いでいる。マレー語で Kinaは「中国」,baluは「寡婦」を意味し,帰国した中国人の夫を偲び,中国を遠望しようと山に登って再び帰らなかった先住民の妻の伝説がある。

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世界大百科事典(旧版)内のキナバル山の言及

【ボルネオ[島]】より

…人口約1400万(インドネシア部は約1000万)。南西から北東に砂岩よりなるシュワーネル,ミュラー,イランなどの脊梁山脈が走り,北東端に東南アジア最高のキナバルKinabalu山(標高4101m)がある。この脊梁山脈から西にカプアス,ラジャン,南にバリト,南東にマハカムなどの大河が流れる。…

※「キナバル山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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