ガラスペン(読み)がらすぺん

精選版 日本国語大辞典 「ガラスペン」の意味・読み・例文・類語

ガラス‐ペン

〘名〙 (洋語glas+pen) ガラスでできた筆記用具
① ガラス製のペン先。墨、インクをふくませて用いる。ペン軸と一体型のガラス製のペンもある。
風俗画報‐三九五号(1909)詞林「見へすいて嘘はかかれぬガラスペン」
鉄筆骨筆と同じく、原紙を切ったり、カーボン紙などでコピーをとったりするのに用いる。
※悪らしきもの(1949)〈武田泰淳〉「黒や赤のカアボン紙にあててガラスペンで書く私の文字

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知恵蔵mini 「ガラスペン」の解説

ガラスペン

ペン先がガラスでできた「つけペン」(ペン先にインクを付けながら書くペン)のこと。1902年に、日本の風鈴職人・佐々木定次郞により初めて作られた。通常のつけペンは金属製で平たく溝が一本なためあまりインクをペン先にためられないのに対し、ガラスペンのペン先は丸く溝が8~10本ほど走っており多くのインクがたまるようになっている。そのため、ペン先を一度インクにつけることでよりハガキ1枚分ほどの筆記ができ、また一定方向のみではなく軸を回転させて書くこともできる。軸まで全てがガラスで作られたものが多く、デザイン的に美しい。書き心地もよく実用性を兼ね備えた美的筆記具として、2000年代に入りメディアに取り上げられるなどして人気が高まっている。

(2015-11-19)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のガラスペンの言及

【ペン】より

… ペンはペン先をペン軸にさして用い,用途に応じて種々の形状・筆跡のものが安価に得られるため,一般の筆記用のほか,製図用のもの,地図を描く際に2本の並行線が一度に引ける鉄道ペンなどもつくられたが,最近は他の筆記具に移行している。ガラスペンは墨汁でも使えるよう1902年に日本で考案されたもので,鋼鉄ペンと形状は異なり,ガラス棒の周囲に縦溝をつけ,先端を細くとがらせたものである。インキ万年筆【小川 伸】。…

※「ガラスペン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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