カール(6世)(読み)かーる(英語表記)Karl Ⅵ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カール(6世)」の意味・わかりやすい解説

カール(6世)
かーる
Karl Ⅵ
(1685―1740)

ハプスブルク家のドイツ皇帝(神聖ローマ皇帝、在位1711~40)。スペイン継承戦争に際して王位継承を求め、スペインで戦ったが、兄ヨーゼフ1世の死後、皇帝位とオーストリアの全家領を継いだ。スペイン王位の代償旧領の一部を得て領土を広げ、プラグマティッシェ・ザンクツィオン国事詔書)により領土の不分割を布告したが、長女マリア・テレジアへの相続実現のため苦悩した。音楽や芸術を愛好するバロック時代最後の君主であった。

[進藤牧郎]

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旺文社世界史事典 三訂版 「カール(6世)」の解説

カール(6世)
Karl Ⅵ

1685〜1740
神聖ローマ皇帝(在位1711〜1740)
スペイン継承戦争でブルボン家と王位を争うが,皇帝に選ばれスペイン王位を断念。1714年のラシュタット条約で,南部ネーデルラントとナポリを獲得,またオスマン帝国と戦い,18年のパサロヴィッツ条約ハンガリーを領有し,オーストリア−ハプルブルクの最大領土を実現した。プラグマティック−ザンクションを発布し,長女マリア=テレジアの相続に努力。しかしその後オスマン帝国の圧迫に苦しみ,ポーランド継承戦争に敗れナポリをフランスに譲った。彼の死後にはオーストリア継承戦争が勃発した。

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