カンファ(江華)島(読み)カンファとう(英語表記)Kanghwa-do

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンファ(江華)島」の意味・わかりやすい解説

カンファ(江華)島
カンファとう
Kanghwa-do

韓国,キョンギ (京畿) 道の北西部にある島。ハン (漢) 江の河口左岸にあり,キンポ (金浦) 半島とはハン江の分流カム (監) 河でへだてられる。面積 320km2。かつてはキンポ半島の一部であったが,沈降運動によって分離。長期の浸食で平坦化され,丘陵と沖積地から成る。海洋性気候で,ツバキ,カラタチなど暖地性の植物が生育している。 1970年カム河にカンファ橋 (694m) がかけられ,半島と結ばれた。主産業は稲作で,ほかにチョウセンニンジンの栽培,養蚕,機業,花ござ製造などが行われる。高麗時代にはモンゴル軍の侵略から逃れて,1232~70年の約 40年間国都がおかれた。李氏朝鮮時代にも清の侵略によって2度にわたり王の避難地となった。その後もソウルにいたる水路要衝にあたるために,たびたび侵略され,1875年には日本軍による江華島事件が起きている。現在も休戦ラインに近いため,ソウルの防衛上,重要視されている。高麗時代,李朝時代の遺跡や史跡が多く,伝燈寺,檀君降臨の伝説を残す摩尼山,普門寺が有名である。ハジョム (河岾) 面には先史時代の支石墓がある。付近にある 33の小島とともにカンファ郡を構成し,郡庁はカンファ邑にある。郡面積 401km2。郡人口8万 3037 (1985) 。

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