カワラバッタ(読み)かわらばった

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カワラバッタ」の意味・わかりやすい解説

カワラバッタ
かわらばった / 河原蝗虫
[学] Sphingonotus japonicus

昆虫綱直(ちょくし)目バッタ科に属する昆虫。河原にすみ、河原の石とよく似た色彩のバッタで、体長は雄24ミリメートル内外、雌33ミリメートル内外。全体が灰青色で、灰黒紋を散らしている。後翅には中央部に幅広い黒色帯があり、それから基方にかけて美しい空色を帯び、飛び立つとこの色が目だつ。前胸背板の前帯は細かくくびれて円筒形となり、2本の溝で横切られている。成虫は夏から秋に出現する。日本全国に分布する。外国ではこのバッタと同属の仲間が、シベリアから中央アジアの乾燥地にかけて多数分布している。

[山崎柄根]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カワラバッタ」の意味・わかりやすい解説

カワラバッタ
Eusphingonotus japonicus

直翅目バッタ科。体長は雄 25mm内外,雌 35mm内外。体は灰褐色。後翅は青みを帯びた透明で,基部は青みが強く美しく,中央部に広い黒色帯がある。河原の砂礫上にすみ,よく飛ぶが,石の上に止ると,保護色となって見つけにくい。北海道,本州,四国,九州に分布する。 (→直翅類 , バッタ )

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百科事典マイペディア 「カワラバッタ」の意味・わかりやすい解説

カワラバッタ

直翅(ちょくし)目バッタ科の昆虫の1種。体長は雌35mm,雄25mmほど。青みがかった灰褐色で,後翅の付け根は美しい青色。日本全土に分布し,川原の砂礫(されき)地にすみ,静止中は砂礫の色と全く区別できない。成虫は夏〜秋に現れる。

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