カリプソ(女神)(読み)かりぷそ(英語表記)Kalypsō

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリプソ(女神)」の意味・わかりやすい解説

カリプソ(女神)
かりぷそ
Kalypsō

(1)ホメロスの『オデュッセイア』に登場する女神(またはニンフ)で、アトラスプレイオネの娘。オーギギア島に住む。トロヤからの帰途難破して漂着したオデュッセウスに恋して7年間彼を引き留め、さらにこのまま島に滞在するならば不老不死の寿命を与えようと申し出るが、望郷の念に駆られるオデュッセウスはこれを拒絶する。ゼウスもまたヘルメスカリプソのもとへ遣わしてオデュッセウスの出立を命じたため、カリプソはこれに従って十分準備を整え、オデュッセウスを送り出した。ホメロス以後の伝承では、彼女はオデュッセウスとの間にナウシトオスとナウシノオスの2人の息子をもうけたとされている。

(2)ギリシア神話で、オケアノステティスとの娘の1人。

[丹下和彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android