トロヤ(読み)とろや(英語表記)Troia

デジタル大辞泉 「トロヤ」の意味・読み・例文・類語

トロヤ(〈ギリシャ〉Troia)

トロイア

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精選版 日本国語大辞典 「トロヤ」の意味・読み・例文・類語

トロヤ

仮名草子伊曾保物語(1639頃)上「ひりしやの国とろやと云所に、あもうにやといふ里あり」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トロヤ」の意味・わかりやすい解説

トロヤ
とろや
Troia

トルコの小アジア半島(アナトリア)北西端にある先史時代の都市遺跡。1998年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。英語名トロイTroy。トロアスTroas地方のエーゲ海沿岸から5キロメートルほど内陸のヒッサリクHissarlikの丘を占める。ドイツの考古学者シュリーマンはこの地をホメロスの『イリアス』に歌われたトロヤであると比定し、1870年から発掘を開始した。1882年から彼を補佐したデルプフェルトによれば、最下層の第一市から最上層の第九市まで九つの町が重なっていた。1932年からブレーゲンによる徹底的な再調査が行われ、19世紀の発掘であいまいであった諸点が解明された。トロヤ第一市は紀元前3000年ごろに創設された。シュリーマンが「プリアモス財宝」と確信した財宝が出土した第二市は、前三千年紀後半の町であった。トロヤがもっとも広い町として栄えたのは第六市(前1900~前1240)であったが、地震で崩壊し、続く第七A市は規模が縮小された。この第七A市は焼き払われているところから、トロヤ戦争伝承と結び付ける見解も出されているが、決定的なことはいえない。第八~九市はギリシア・ローマ時代の町であり、町の名称はトロヤではなくイリオンIlionである。

[馬場恵二]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「トロヤ」の解説

トロヤ
Troia[ギリシア],Troy[英],Troja[ドイツ]

ホメロスの詩でギリシア連合軍の10年にわたる攻撃を受けたと描かれる城市。別名はイリオン(Ilion)。アナトリア北西隅に近いヒサルリクのトロヤ戦争伝説の故地で,シュリーマンの発掘によって科学的研究が始まり,今日までの発掘調査の結果,9層が区別されている。このうち第6層は石灰石城壁をめぐらし,南に大門があり,壮大な城砦があったことを示しているが,この層はおそらく地震で破壊され,そのあとに再建された第7層Aがホメロスに歌われる炎上したトロヤ王プリアモスの城砦に比定される。第8層は前800年頃,第9層はヘレニズム時代からローマ時代にかけてのものである。

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旺文社世界史事典 三訂版 「トロヤ」の解説

トロヤ
Troja

小アジア北西のヒサルリク丘にある古代都市国家の遺跡。英語ではトロイ(Troy)
ギリシア時代にはイリオン(Ilion)と呼ばれ,ホメロスの叙事詩『イリアス』の舞台として有名。1870年からドイツの考古学者シュリーマンによって発掘され,今日では9層の遺跡のうち,第6と第7a層がホメロスの詩中で炎上したトロヤ市の跡とされている。

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世界大百科事典(旧版)内のトロヤの言及

【トロイア】より

…小アジアの北西端,ダーダネルス海峡に近いヒッサルリクの丘の遺跡。トロイ,トロヤともいう。この小丘は前3000年ころからローマ時代にいたる住居層が重なって,東西約100m,南北約115m,高さ36mほどの遺跡の丘となっていた。…

※「トロヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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