カリフォルニア星雲(読み)かりふぉるにあせいうん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリフォルニア星雲」の意味・わかりやすい解説

カリフォルニア星雲
かりふぉるにあせいうん

ペルセウス座にある散光星雲。ペルセウス座のζ(ゼータ)星あたりにあり、肉眼では見にくい。以前は長時間露光の写真撮影でないとよく写らなかったが、最近のデジタル撮像機の進化で、比較的短時間でも画像を得ることができるようになった。HⅡ領域でもある。その形がアメリカカリフォルニア州に似ているのでカリフォルニア星雲とよばれる。視野角が140分にも及ぶ非常に大きな散光星雲である。カタログ番号はNGC1499。距離は約2300光年。実視等級は6等、視直径は140分程度。1月初旬の午後7時ごろに東の空に、午後9時ごろに真上の空に見える。

[編集部 2022年12月12日]


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改訂新版 世界大百科事典 「カリフォルニア星雲」の意味・わかりやすい解説

カリフォルニア星雲 (カリフォルニアせいうん)
California Nebula

NGC1499。ペルセウス座ξ星の北1°くらいのところにある散光星雲。1°×2°の大きな領域に広がっており,カリフォルニア半島に似た形をしているのでこの名まえがつけられた。1885年にE.バーナードによって15cm屈折望遠鏡を使って発見されたもので,小望遠鏡でも見ることができる。距離は2000光年と比較的近いが,星雲ガスの密度が低いためにあまり明るく見えない。1°あまりに広がる淡い部分を見るためには,写真撮影をしなければならない。ペルセウス座ξ星の放射する紫外光によって,まわりに広がる水素原子などが電離して,陽子と電子に分かれる。その陽子と電子が再び結合するときに放射される光によって輝いて見えている。そのため星雲光の大部分は輝線と呼ばれる特定波長の光で,とくに6563Åの水素原子のHα 光が強い。
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百科事典マイペディア 「カリフォルニア星雲」の意味・わかりやすい解説

カリフォルニア星雲【カリフォルニアせいうん】

ペルセウス座にある散光星雲。NGC1499。カリフォルニア半島に似た形をしている。距離2000光年。

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