エリプソメトリー

化学辞典 第2版 「エリプソメトリー」の解説

エリプソメトリー
エリプソメトリー
ellipsometry

偏光解析法ともいう.偏光の反射挙動の解析から表面皮膜の厚さと反射率を測定する方法.単色偏光が金属鏡面で反射すると,光の入射面に平行および垂直の二つの成分は位相および振幅の変化を受けるが,一般に,その変化は成分により異なり,結果として,反射により相対的位相変化および相対的振幅変化を受けることになる.すなわち,入射光が直線偏光なら反射光はだ円偏光となる.もし,金属表面が薄い皮膜で覆われていると,上に述べた相対変化量は,皮膜の厚さおよび反射率に依存して変化する.この挙動は,二つの未知数を含む二つの式で記述されるので,この二つの未知数を決定することができる.すなわち,原理的には同一光路にある二つの振動成分を使う干渉法ともいえる.非常に複雑な計算を要するのが欠点であるが,電子計算機の利用により,広く用いられるようになった.光学的測定手段のなかでもっとも精度が高く,膜厚を数百 pm 以下の精度で測定することができる.この測定装置をエリプソメーター(ellipsometer)という.L. Tronstad(1933年)によりはじめて不動態皮膜研究に用いられた.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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