日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリス(ギリシア神話)」の意味・わかりやすい解説 エリス(ギリシア神話)えりすEris ギリシア神話で「不和、争い」を擬人化した女神。ローマではディスコルディアとよばれた。夜の神ニクスの娘で、「労苦」「忘却」「飢え」「苦痛」などさまざまの悪を体現する神々や、また「誓い」の神を生んだ。エリスは、多くの神々が出席したペレウスとテティスの結婚式に自分だけが招待されなかったのを恨み、宴席に黄金のリンゴを投げ込む。それが「パリスの審判」の原因となって、さらにトロヤ戦争にまで発展した。しかし、エリスにはよい競争を促す面もあるとされる。普通、彼女は翼をもった女性として描かれている。[小川正広] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例