ウースターシャー県(読み)ウースターシャー(英語表記)Worcestershire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウースターシャー県」の意味・わかりやすい解説

ウースターシャー〔県〕
ウースターシャー
Worcestershire

イギリスイングランド中西部の県。県都ウースター。1974年の自治体再編でそれまでのウースターシャー県の北端部がウェストミッドランズの一部として分離,それ以外の地域はヘレフォードシャー県と合併してヘレフォード・ウースター県となり,1998年に再び分離して成立。中部の肥沃な低地平野にはセバーン川,エーボン川とその支流が流れる。西はモールバーン丘陵に沿ってヘレフォードシャーと接する。南のエーボン川河谷は果樹園や造園業に適した土壌である。南東にはジュラ紀断層崖のコッツウォールド丘陵がそびえる。ウースターと南部の大半は中世後期から 17世紀にかけて羊毛と毛織物の生産で栄え,北部では 13世紀から石炭と鉄の採鉱が行なわれていた。18世紀に運河,19世紀には鉄道が建設されたのに伴い,北縁部は拡大するバーミンガム大都市圏と「ブラックカントリー」と呼ばれる大工業地帯の一部となり,石炭採鉱と金属生産で知られた。今日では農業が主要産業で,イーブシャム谷を含む南東部では野菜や果物の集約栽培が行なわれ,ほかの農村部では酪農が中心。ホップの重要な生産地でもある。ウースターとブロムスグローブでは重工業,レディッチとキダーミンスター(カーペット製造でも有名)は機械・金属工業が盛ん。ドロイトウィッチに近いストークプライアには製塩・化学工業の重要拠点がある。ウースターといくつかの市場町では農業機械製造,果物の缶詰・加工,りんご酒生産,精乳が行なわれる。面積 1741km2。人口 55万5800(2005推計)。

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