ウェスタンユニオン会社(英語表記)Western Union Telegraph Company

改訂新版 世界大百科事典 「ウェスタンユニオン会社」の意味・わかりやすい解説

ウェスタン・ユニオン[会社]
Western Union Telegraph Company

かつてはAT&Tと並ぶアメリカ最大手の電気通信事業会社だったが,現在は同国の大手電子商取引サービス会社ファースト・データ社(First Data Co.1992年設立)の傘下に入り,国内および国際資金転送サービスと(物送ベースの)メッセージ・サービスを提供している。その前身は,1856年西部の企業家ハイラム・シブリーが,当時乱立していた電信会社を合併して設立。以後,合併を重ね,ついに全米の電信業務を独占した。ところが,電気通信サービスの中核が電話とデータ通信に移行するにつれて電信業務はしだいに衰退に向かった。このため同社は再び多角経営戦略に転換し,ベル・システムから加入電信網を引き継ぐとともに,郵便公社と提携してメールグラムと称する電子郵便サービスを開始している。さらに1974年にはウェスターと呼ぶ通信衛星を打ち上げ,衛星通信事業にも乗り出している。しかし,こうした経営戦略は成功せず,多くの事業部門を切り離しつつ,1995年,ファースト・データ社の一部門となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報