アフリカ統一機構(OAU)(英語表記)Organization of African Unity

山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

アフリカ統一機構(OAU)(アフリカとういつきこう)
Organization of African Unity

1963年5月,エチオピアの首都アジス・アベバでのアフリカ独立諸国首脳会議で創設された地域機構。2002年7月にアフリカ連合(AU)へと発展解消。32カ国の加盟による出発からモロッコ(85年脱退)を除くアフリカの全独立国(西サハラを含む)の組織へと拡大した。本部はアジス・アベバ。パン・アフリカニズムにもとづく「アフリカ合衆国」構想を具現化したもので,アフリカ諸国の統一・連帯・独立確保,アフリカ諸民族の生活水準向上,植民地主義一掃などを目的とし,政治,経済,外交,防衛,文化,科学技術などに関して加盟国の政策の調整を図り,国家主権の尊重,内政不干渉領土保全紛争の平和的解決,未独立地域の解放,暗殺・破壊活動の非容認,非同盟路線の堅持などを掲げた。アンゴラナミビアなど南部アフリカの少数白人支配地域の解放に貢献。近年は対外累積債務問題などに有効な解決策を提示できず,コンゴルワンダなどの地域紛争の解決に無力であったことなどが問題視されてきた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報