アトン賛歌(読み)アトンさんか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アトン賛歌」の意味・わかりやすい解説

アトン賛歌
アトンさんか

古代エジプトの主神であるアトンをたたえる歌。第 18王朝のアメンホテプ4世宗教改革によって,アモンに代りアトンのみの宗教が唱えられ,アトンの祭祀ヘット・ベンベン (オベリスクの館) の神殿で行われた。その祭祀の司祭国王のみで,果物などが奉納され,王が神に捧げる壮麗なるアトン賛歌を誦した。その賛歌では,太陽は昔と同様人類の創造者,世界の恩人としてたたえられた。またすべての人々が等しくアトンの子であることが宣言されているのは,アトン信仰を一神教的なものに規定することにより国教的性格を強めようとしたためと思われる。この賛歌は,ナイルの民のみならず,異国の民にも歌われた。

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