アイドゥ(英語表記)Aidoo, Ama Ata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アイドゥ」の意味・わかりやすい解説

アイドゥ
Aidoo, Ama Ata

[生]1942.3.23. イギリス領ゴールドコースト,アベアジ
ガーナの女性詩人,劇作家,短編小説家。フルネーム Christina Ama Ata Aidoo。英語で執筆。ケープコーストのウェスレイ女子高校で学び,1964年にガーナ大学を卒業,アメリカ合衆国のスタンフォード大学でも学んだ。ガーナのケープコースト大学で教鞭をとった。1960年代後半から諸雑誌で活躍。在学中に執筆し,ガーナ大学の学生劇場で上演した『幽霊ジレンマ』The Dilemma of a Ghost(出版 1965)などが好評を博した。この劇は,外国留学から戻ったガーナ人青年とアフリカ系アメリカ人の妻が故郷の村で経験する文化的対立を主題としている。第2作『アノワ』Anowa(1970)は,ガーナの伝承民話を劇化したもの。結婚相手を自分の意志で決めた娘と両親との対立を軸に,西洋流の個人主義とアフリカの伝統的な価値観との相克が悲劇に結果する過程を描いている。短編集『ここに,優しさはない』No Sweetness Here(1970)は,田舎の伝統文化と都会にみられる新しい文化との衝突を主題としている。ローリングズ政権下の 1982年,教育大臣に就任。のちジンバブエに移り,その後アメリカにも在住した。ほかに,最初の小説『アワ・シスター・キルジョイ』Our Sister Killjoy(1977),詩集『折々の歌』The Song of Occasion(1985),児童文学などがある。代表的なフェミニスト(→フェミニズム)であり,作品には巧みにオラリティ(話しことば)が組み込まれている。(→アフリカ文学

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android