精選版 日本国語大辞典 「をや」の意味・読み・例文・類語
を‐や
[1] (間投助詞の「を」と「や」とが重なったもの)
① 詠嘆を表わす。
※万葉(8C後)四・六一四「相思はぬ人乎也(ヲヤ)もとな白栲(たへ)の袖ひつまでにねのみし泣かも」
※平家(13C前)一〇「けふはかくやつれはて給へる御ありさま、かねてはおもひよらざっしをや」
② 「いわんや…(…において)をや」の形で用いられ、「まして…においてはなおさらである」「まして…は言うまでもない」の意を表わす。→補注(1)。
※観智院本三宝絵(984)上「況や〈略〉罪を滅す願ひを満て給ふ事伊坐しし時に不異(ことなら)ぬをや」
※歎異抄(13C後)三「善人なをもちて往生をとぐ、いはんや悪人をや」
※万葉(8C後)七・一三八一「広瀬川袖つくばかり浅き乎也(ヲヤ)心深めて吾が思へるらむ」
※宇治拾遺(1221頃)一「かの翁がつらにある癭(こぶ)をやとるべき。癭は福のものなれば、それをや惜み思ふらん」
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