ならでは(読み)ナラデハ

デジタル大辞泉 「ならでは」の意味・読み・例文・類語

ならで‐は

[連語]
多く「ならではの」の形で)ただ…だけ。「日本ならでは習慣だ」
(多く、下に打消しの語を伴って)…でなくては。…以外には。「下町ならでは見ることのできない光景
恩愛の道―、かかる者の心に慈悲ありなんや」〈徒然・一四二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ならでは」の意味・読み・例文・類語

ならで は

通例、あとの打消の表現に呼応する。…でなくては(…しない)。…でなければ。…以外には。
源氏(1001‐14頃)蓬生「かかるしのび歩きも、かたかるべきを、かかるついでならではえ立ち寄らじ」
徒然草(1331頃)一一「木の葉に埋もるる懸樋(かけひ)の雫ならでは、露おとなふものなし」
② 「…ならではの」の形で連体詞的に用い、その性質を持ったものに特有の、の意を表わす。
※京阪食べある記(1930)〈松崎天民〉安くて美味い関東煮屋「おでんの鍋の前に立って〈略〉一杯二杯と傾ける気分は、大阪ならではの心地がした」
[補注]中世以後、「…しか(ない)」の例として、「曾我物語‐九」の「敵は二人ならではなく候。甚くな御騒ぎ候ひそ」がある。

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