ずっかり(読み)ズッカリ

デジタル大辞泉 「ずっかり」の意味・読み・例文・類語

ずっかり

[副]
言いにくいことを、かまわずに言うさま。ずけずけ。
「―言われて赤くなり青くなり唇かむで怒る男」〈露伴・寝耳鉄砲〉
鮮やかに、鋭く切りつけるさま。すっぱり。ざっくり。
「―ト切ル」〈和英語林集成

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精選版 日本国語大辞典 「ずっかり」の意味・読み・例文・類語

ずっかり

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 率直に言うさま、思い切りよくするさまを表わす語。きっぱり。ずっけり。ずばり。
※絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初)「脩己以敬、敬而不失と、事上を除棄(のけすて)、ずっかりと引出して仰せられたより」
※歌舞伎・心謎解色糸(1810)大切「『すりゃ、どうあっても間男と』『斯うなるからは胴をすゑ、いっそ貰うて下さんせいな』トずっかりとなる」
② 一刀のもとにみごとに二つに切り離すさまを表わす語。
浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)七「指付け突付け捥(も)ぎ取らん捥ぎ取らんとせり合ふ中、思はず舅が耳の根ずっかり」
※浄瑠璃・双蝶蝶曲輪日記(1749)八「縛り縄ずっかり切れば」
金銭などが重みを感じさせるくらいたくさんであるさまを表わす語。どっさり。
※浄瑠璃・三荘太夫五人嬢(1727)三「山働きや塩浜のちょろい儲とは違うて、ずっかりとあたたまる」
④ 重々しいさまを表わす語。〔詞葉新雅(1792)〕
⑤ ぴったり言い当てるさまを表わす語。ずばり。
人情本春色辰巳園(1833‐35)後「『とんだ占者だネ』『ずっかり当ってビックリだろう』」

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