すっくり(読み)スックリ

デジタル大辞泉 「すっくり」の意味・読み・例文・類語

すっくり

[副]
すっく」に同じ。
つまを合せざまに―と立った」〈鏡花・眉かくしの霊〉
ある範囲内のすべてにわたるさま。すっかり。そっくり。
「土の面が乾いていた。それから大地が―乾いた」〈中勘助・鳥の物語
水を少なくして固めに飯を炊くさま。
「雪の白搗き―と鹿の子まだらに黒豆散らし」〈浄・大織冠

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精選版 日本国語大辞典 「すっくり」の意味・読み・例文・類語

すっくり

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① まっすぐに突っ立つさまを表わす語。すっくと。すっくら。
浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)三「畠中にすっくりとたたせおきたる、案山子にてぞありける」
② 水を少なくして、こわめに飯をたくさまを表わす語。
浄瑠璃大職冠(1711頃)道行「雪の白づきすっくりと、かのこまだらに黒豆散らし」
物事のすべてにわたるさまを表わす語。すっかり。全部。すべて。
※浄瑠璃・今川本領猫魔館(1740)五「何も彼(か)も工(たくみ)の段々すっくりと云ふて退(の)けた」
④ すがすがしく、快く感じられるさまを表わす語。すっきり。すっくら。
※詩学大成抄(1558‐70頃)八「秋の気はいさぎようあるほどに、きるものまでもすっくりとするなり」

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