しなが鳥(読み)しながとり

精選版 日本国語大辞典 「しなが鳥」の意味・読み・例文・類語

しなが‐とり【しなが鳥】

(「しながどり」とも)
[1] 〘名〙
① 鳥「かいつぶり(鸊鷉)」の古名。一説水鳥総称、鶚(みさご)の古名、尾長鳥の意から尾羽の長い鳥などともいう。
※能因歌枕(11C中)「しながどりゐなとりといふことは、むかししろきししをとれりける処にてよみつたへたるべし」
[2]
地名「猪名(いな)」にかかる。かいつぶりの類が、雌雄並んでいることが多いので、居並ぶの意からか。
万葉(8C後)七・一一四〇「志長鳥(シながとり)猪名野を来れば有馬山夕霧立ちぬ宿(やどり)はなくて」
② 地名「安房(あわ)」にかかる。かかり方未詳。かいつぶりなどが水にもぐって水面に出て来た時の鳴声からか。
※万葉(8C後)九・一七三八「水長鳥(しながとり) 安房(あは)に継ぎたる 梓弓(あづさゆみ)(すゑ)の珠名(たまな)は」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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